現代落語論 / 立川談志

読書感想文
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自分が落語を聞きだしたのは昨年からなので、筆者の落語は全然知らず、M-1の辛口審査員という印象でした。小難しいイメージがあるのでこの方は後回しにしていたのですが、笑点の新メンバーが誕生するたびに素人の老害が「談志の時代は…」とぼやくのが耳に入ります。スルースキルを身に着けるために最低限の知識は得ておこうと思い、とりあえず1冊くらいは読んでおくことにしました。

本書が発刊されたのは1965年、筆者が真打に昇進して2年後です。先日菊之丞が独演会で、志ん生が亡くなったのが50年前(1973年)、自身が50歳(1972年生)という話をしていたのを思い出しました。ちなみに御乱心は1978~79年の出来事です。

落語初心者には難しいだろうと予測していましたが、早速冒頭に出てくる「笑いのニュアンス」に面喰いました。笑いの度合いや話の構成ではなく、「落語として」というとらえ方に戸惑いましたが、そこまで理解するのは諦めました。

落語の噺や登場人物など、初心者には難しい内容も多いのですが、落語を取り巻く環境は今でも通じるものがあると思いました。定期的に来る落語ブーム、寄席とホール落語、古典落語の現代での演じ方などは、当時からそうだったのかと思いました。朝鮮戦争は今でも停戦中ですし。

先月の浅草演芸ホール下席は、昼席主任が林家三平、夜席主任が柳亭市馬でした。通しで見ていたところ、三平の出番はほぼ満員近かったのですが、それが終わると夜席は終始閑散としていました。寄席は不思議なところです。

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