嘘だらけの日仏近現代史 / 倉山満

読書感想文
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負けてからが本番だ!

フランスの歴史を学ぶ

教養不足でペンギンの島が消化不良となったので、反省を込めてフランスの勉強することにしました。ちょうど最近この作者の本を読み始めていたので、この「嘘だらけ~」シリーズでフランスの歴史に挑戦してみます。

ペンギンの島に出てくるフランスの歴史だとずっーと殺し合いをやっているのですが、本書を読むとその通りというのがわかります。色々あったからこそ今のフランスがある、とも言えます。特に政教分離には厳しい国家になりました。

勉強不足でいまだにルターとルソーを混同しているので、この際自分用に整理しておきます。
 ルター:1517年に宗教改革を起こす。「プロテスタント」の始まり。
 ルソー:1762年に「社会契約論」を執筆。「リベラル」の始まり。

どちらも火種の元になりました。というか、後者は今でも社会で深刻な火種になっています。この根深い歴史を押さえておかないと、気づかないうちに現代の分断に巻き込まれてしまうかもしれません。

政治の仕組み

王様とか皇帝とか聞くとペンギンを思い浮かべてしまうので、ちゃんと初歩的なフランスの為政者を整理しておきます。
 王政:ブルボン家
 帝政:ナポレオン
 共和政:君主はいない

どれも長続きせずに、頻繁にシステムが変わっています。諸外国に囲まれており事情は複雑なので、どの政治システムが優れるかどうかはわかりませんでした。ただ現在は共和政が長続きしているので、フランスではこれがマシな制度と判断されたのでしょう。

フランスと日本

本書で初めて知ったフランスの強みとして、「敗戦慣れ、喧嘩慣れ」があります。普通は負け癖というとあまりよくない意味にとらえられますが、この場合は負けてからしぶとく、したたかに這い上がるという誉め言葉です。敗戦をいまだに引きずっている日本とは違うと。

特に外交で大国にのし上がったと言えるでしょう。本書では「常に美しかった」と評されます。常にと言うほど本書で美しく書いているとは思えないのですが、それはともかく現在でも大国の権威を維持しています。

ポイントは「近隣諸国が嫌がることをする」でしょうか。経済活動をしていると普通の発想なのですが、机の上と下とが区別できないと非難されることも多いようです。視野を広げて世界の歴史の本質を学ぶことで、現在の世界の理解につながるかもしれません。

嘘だらけの日仏近現代史 (SPA!BOOKS新書)
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