嘘だらけの日英近現代史 / 倉山満

読書感想文
読書感想文

このタイミングを逃せば、次のモチベーションがいつ来るかわからないので…。

イギリスを学ぶ

エリザベス女王がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。歴史上では日英同盟などでとても馴染みのある国ですが、現在身近かというとそうでもなく、実はよく知らない国でもありました。

また先日このブログで福沢諭吉の本を読んだ際に、イギリスの政治体制の理解が不十分で消化不良になったため、とりえあずこのシリーズを手に取ることにしました。

フランスの本と同様に途中で登場人物がわからなくなるため、メモを取りながら時系列を整理して読み進めました。チャールズ1世とチャールズ2世と続くと思ったら、今度はジェームズ2世が出たりするので、混乱するんですよね…。

イギリスの憲法

この著者の肩書が憲政史研究者ということもあり、本書でも憲法についてしっかり解説されています。とはいえイギリスの憲法は複雑で理解が難しいですね。慣れると合理的らしいのですが。

日本で憲法というと日本国憲法を思い浮かべますが、それは文書になったものであり、さらに上位概念のものが本当の「憲法」である、と理解しました。イギリスの場合は不文/明文があり、明文されたものは13世紀のマグナ・カルタをはじめとする様々な法律が絡んでおり、複雑な体系になっています。ただこの憲法はEU離脱や貿易協定にも絡む話なので、今後も繰り返し復習する機会はありそうです。

イギリスの憲法は国王と議会の対立の歴史の中で、数々の修正を経て現在に至ります。それが一読で理解できないのも仕方のないことだと思いました。実は日本も十分対抗できるほどの憲法の歴史があることが分かったので、今度は日本の歴史も掘り下げてみようかと思いました。

イギリスと日本

江戸時代の鎖国中は、交易がオランダに限られていたため、イギリスとの接点はほとんどありません。この時代は日本が強かったので、そのような態度をとることができました。ありがたいことに日本は平和な時代が続くのですが、ヨーロッパはずっと戦乱の時代です。本書では日本のことを平和ボケと断罪していますが、どちらがいいのかはよくわかりませんね。

その後日本はイギリスに恫喝されるものの、なんとか同盟までこぎつけ、あげく対立して戦争したりと常にイギリスと関わってきました。地理的には日本の周辺ではないのですが、日本の歴史を語る上では欠かせない存在と言えるでしょう。

国王も首相も変わるイギリスの今後に注目して、改めて日本を見つめ直すことができればと思いました。

(参考動画)

タイトルとURLをコピーしました