参議院 / 倉山満

読書感想文
読書感想文

よくわからない参議院、この本で学んでたどり着くのは希望か絶望か?

憲法・政治・歴史

筆者のプロフィールである「憲政史研究者」の通り、憲法・政治・歴史の面から参議院を紐解いていきます。過去に筆者が出した憲法・政治・歴史に関する書籍の内容を、参議院を軸にして再構成した本ともいえます。そのため、過去作と同じ登場人物でも参議院を軸にすると違った見え方になります。例えば田中角栄に関しては、本作の場合は参議院を掌握していた人物として描かれています。

参議院について解説した書籍は珍しいそうです。私も参議院の重要性をあまり理解していませんでした。本作を読むと、政権の安定運営には参議院を押さえることが欠かせないことがわかります。とはいっても良識の府が適切な助言をしてくれるわけではなく、むしろ余計な邪魔をさせないために丸め込んでおくことが必要であると理解しました。

主要な登場人物

政治本は登場人物が多いため、筆者の過去作では参議院議員の有力者は覚えきれなかったのですが、本作では主役になりましたので、主要な人物を押さえておきます。

松野鶴平

第5~7代参議院議長。当時の首相は鳩山一郎~池田勇人。「参議院の政党化」の象徴的な存在。

重宗雄三

第8~10代参議院議長。当時の首相は池田勇人、佐藤栄作。当時の参議院を「重宗王国」、自身は「重宗天皇」と称されることも。

河野健三

第11、12代参議院議長。当時の首相は佐藤栄作~福田赳夫。三木政権時の政治改革法案で可否同数となった際に、議長決済権を行使して可決させた。

青木幹雄

竹下登の「城代家老」。小渕首相が病に倒れた際は内閣総理大臣臨時代理に就任。ちなみに本作で出てきた「青木法王」はGoogleではヒットしませんでした…。2023年6月11日死去。

輿石東

民主党政権時の参議院の実力者。本書曰く「よく言えば現実主義者」。

民主主義の仕組み

本書で参議院について学んだものの、結局その意義がわからなかったのですが、下記の動画でバッサリ「いらない」とのこと。せっかく読んだので、民主主義の仕組みという教養にまで発展させたいところです。以下の動画にそのヒントがありそうなのですが、理解するにはまだまだ他の教養が足りていないので、引き続きコツコツ勉強を続けます。

参考動画

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