国際法で読み解く世界史の真実 / 倉山満

読書感想文
読書感想文

ウクライナ情勢が一線を超えた際に勉強しようと思っていた本ですが、いつの間にか先延ばしになってました…。そんな中で中東情勢も緊迫してきたので、今度こそ勉強する気になりました。問題が起こってから対処するのは遅いのですが。

私のような国際社会の素人がまず戸惑うのが、「国際法は法律ではない」という概念です。破ったからと言って刑罰があるわけでは無く、その時の情勢次第で非難されたり既成事実化したりします。このあたり、各国の思惑や打算が交錯するので、ただニュースを聞いているだけでは理解が追い付きません。本書では各国の「傾向と対策」から、日本の近代史までを国際法を軸として読み解いていきます。

特に多くのページを割いているのが満州事変の解説です。実質的な現地の情勢と、当時の日本の実力、そして各国の思惑とを総合して判断する必要があります。と、今なら客観的に評価することができますが、実際は現在にも通じるお役所仕事で処理したようです。国際法を駆使した明治時代と対照的な歴史です。

本書を読んだ後では、これまで読んできた世界史の本の解釈が変わるような気がしました。複雑な世界の動きを読み解くための、一つの指標を得た気がします。ただ万能ではないのが難しいのですが。

関連動画
2022/04/03配信 この時から勉強しようと思っていたら2年経ちました…。
2023/11/20配信 次々と事が起きるので、今度こそしっかり勉強します。
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