これまで筆者の本を多数読んできましたが、今回は初のエッセイ形式です。格が低く見えてしまいそうな「冷笑系文体」を駆使して「〇〇は経営でできている」をとことん繰り返します。その数(お題)はなんと15章!
経営の本質
本書では何かにつけて経営が絡みます。何度も経営という文字が登場するので、「そもそも経営ってなんだっけ」という疑問が途中から湧いてきます。そこで最終章で満を持して、急に硬派な文体で「本来の経営」について語られます。
「価値創造」こそが本来の経営である。
さまざまな対立を解消して、価値創造につなげる。ポピュラーな言葉でいうとwin-winでしょうか、この難題に大真面目に向き合っています。
共同体の幸せを実現する
最終章に資本論のパロディとして「人本論」が出てきますが、筆者は繰り返しこの「人」を主役にしてきました。日本企業はなぜ「強み」を捨てるのかでも、インフレについてヒトの価値が相対的に上がる現象と見なしています。
人の幸せ、共同体の幸せ。これこそが経営、そして人生の目的であると。この熱い思いを受け取って本書を読み返すと、また新しい気づきが生まれてきます。
個人的なお気に入り
前作と同様に自由に引用して構わないとのことですので、「いいね」感覚で使わせていただきます。
恋愛は経営でできている
恋愛に限らず、人づきあい全般に言えることですね。カタカナでいうプライオリティやクライテリアが必要になります。
仕事は経営でできている
「創造的な仕事」をいかに割り振るか、マネジメントの出番ですね。
科学は経営でできている
うまい仕事術だと思っていたら、科研費だと犯罪だそうです…。科学の闇は深い…。
歴史は経営でできている
本ブログのテーマに通じる話。すべての増税に反対!
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