インパクトの強いタイトルと、教養の詰まった中身とのギャップがいいですね。
オカマとは
本書は「LGBT」の説明から始まりますが、深く分類するとキリがないので途中で切り上げています。細分化は対立の元になるという話は上の動画でも取り上げられていますし、歴史でよく出てくる話ですね。「オカマ」の語源には諸説あるものの、少なくともそれ自体に差別的意味合いは無いとうことは明確に述べられています。差別的にとらえた方が刺激的ですが、本書はあくまで教養本なので。
同性愛を忌避する考え
当事者同士で男色にいそしむのは勝手ですが、男色を暴力的に強要されることに対しては嫌悪感があります。本書がオカマ目線の本であることや、時代背景を考慮して読み進める必要はあると思います。
男色を罪とみなす考え方のルーツとして、旧約聖書が出てきます。逆に考えると、放置しておくと男色は自然発生的に起こりうるということが言えるでしょう。男色を全否定する必要はなかったかもしれませんが、さすがに度が過ぎると子孫が途絶えるのでコミュニティは滅びます。バランスを保つ統治方法が無ければ、罪にするしかなかったのでしょうね。勝手な想像ですが。
日本は違う宗教同士で殺し合いをするような国ではないので、バランスを保つのに向いていると思っています。ただ一部で過激な主張が好きな人や、それを煽るノイジーな存在がいるので、冷静に判断できるような教養が必要ですね。
意見を主張するために
この筆者は相当文章の訓練をしたことが、上に貼った動画や本文中で触れられていました。書籍の形態で意見を主張するためには、それほど構成がしっかりしていないといけないのだと思いました。駄文をブログに載せているようではまだまだですね。
フェミニストやLGBTの話題は多数ありますが、議論というよりも踏み絵の強要を迫られるような印象です。バランスを取ろうとすると足元をすくわれる恐れもありますので、自分の考えの論理構成をしっかりさせておく必要があると思います。本書のような当事者サイドからの切り口を理解することは、自分の考えをまとめる一助になるのではないでしょうか。
(筆者から解説頂きました。ありがとうございます!)
(参考動画)
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