十八番の噺 -落語家が愛でる噺の話-

読書感想文
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本書では落語家が自分の演目を解説しているのでが、にわかファンの私は大半が聞いたことのない演目なので、短めに感想を。なぜそんな本を読んだのかというと、立川生志の「紺屋高尾」目当てでした。テレビ番組の落語研究会でこの演目が放送されていたのですが、今まで聞いてきた落語とはなんだか違う感覚を覚えたので、ちょっとその仕組みが気になりました。

「紺屋高尾」の演目自体は、くそ真面目な言い方をすると、他の落語と同様に無理筋の世界です。ただどういうわけか、立川生志の「紺屋高尾」は聞き手が無理することもなく、自然に聞ける話でした。それが本書で解説してあります。

腑に落ちないところを突き詰めていく様子は、なぜなぜ分析や特性要因図を作る作業のようでした。あくまでフィクションなのですが、そのなかで無理のない構成に仕上げる。また聞き手を飽きさせない工夫もしてあります。話の整合性だけでなく、全体的なバランスを突き詰めていくのだなと思いました。

違和感は感じるけど、どう突き詰めたらよいのか。こういう問題はどの世界も普遍的なことなんですね。プロが芸を追求するさまを垣間見ました。

十八番の噺ー落語家が愛でる噺の話
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