現代アメリカ保守主義運動小史 / リー・エドワーズ

読書感想文
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減税界隈で注目のイベントがあるのですが、ちょっと参加が難しかったので、今回は本書でお勉強することにしました。

儲かる!米国政治学 / 渡瀬裕哉を読んで、アメリカの政治が少しわかった気になっていましたが、そんなことはありませんでした。本書はあくまで保守主義運動の小史であり、基本的なアメリカ政治史を知っていることが前提で書いてあるので、歴代大統領もうろ覚えの私は読み進めるのに苦労しました。

ただアメリカ政治に疎い読者も想定してあるのか、訳者解説(1.「リベラリズム」と「フリーダム」、2.アメリカ二大政党の生い立ちと変遷)が充実していたため、何とかポイントは押さえられた気がします。今回は政治史の細かいところまでの理解は一旦諦めて、大きな流れをつかむことを目標にしました。すなわちバラバラだった保守派がまとまった政治力を得るまでに相当の年月がかかること、その間にリベラルからの攻撃や保守派内での確執があることを学習することです。日本で減税を目指すなら、今後このような課題が次々と起こることでしょう。

本書は「保守主義運動」の小史であるため、登場人物は政治家だけではなく、むしろ政治家に意見を取り入れさせる側が主体です。保守の理念を示す哲学者、それを普及させる解説者、さらに先見の明がある慈善家の組み合わせで「保守主義運動」が繰り広げられます。

特に民間側の財源やシンクタンクが強い影響力をもつことが、政治に対する自分の認識をがらりと変えました。なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか / 渡瀬裕哉にて、2020年の大統領選挙をネット献金が左右することを解説していましたが、当時は選挙は政策を戦わせるものだと思っていたので、献金がどう関係するのかよくイメージがわきませんでした。政党交付金(税金)のシステムを当たり前だと思っていると、民主主義はどうあるべきかを見失いそうになります。

減税会のイベントにも足を運んで勉強を始めましたが、まだまだ道は険しいことを理解しました。本書では「敗れはしたが、基礎を築いた」といった段階がたびたび出てきます。一つ一つの細かい勝ち負けに一喜一憂するのではなく、「Freedom:自主独立」という理念を軸にして長期的に構える必要があると思いました。

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