民主主義と名の付く本は2冊目です。今回はその強さと難しさを学びました。
ロシアを擁護する知識人
本書にはまず、ロシアを擁護する知識人が登場します。彼らの見解では、小国は大国に干渉される運命にあり、むしろ批判されるべきはアメリカとのことです。
本書はこれらの知識人に真っ向から反論しています。小国にも自由を主張する権利があります(そもそもロシアは大国ではないとも)。またアメリカ批判とロシア擁護は辻褄が合いません。さらに、戦争だけでなくコロナなどの危機に対しても「民主主義国の強さ」が有効であることをまとめています。
戦争の原因と撤退の是非
本書の第5章では、戦争の原因をマルクス主義歴史学の観点から「独裁者の個人的利益」とまとめています。プーチンもナチスも大日本帝国も同じ理由で戦争が起きたと説明しています。この章は私には難しかったのですが、つまるところ独裁者の論理を真面目に聞く必要があるのか、ということで理解しました。
またウクライナが降伏すべきかの論点に関して、第3章中のコラムで説明がありましたが、まずはアメリカに占領された日本と、ナチスドイツとソ連に占領された東欧諸国の歴史を知る必要があります。そして今回のウクライナの場合はどうか、という説明が展開されます。
民主主義の強さ
民主主義について勉強するならソクラテスから押さえなければならないので、今後も幅広く教養を身に着ける必要性を感じました。少なくとも今回理解したのは、民主主義の方が明らかに経済的なメリットがあること、さらに戦争やコロナのような危機への対応力につながることです。
ただし民主主義の導入や運用には、権利の章典や権力の分散などの技術や制度が必要なことを説明しています。なんでも多数派が決めてよいということにはなりません。
以下動画で「バランスが大事」と説明していますが、バランスというからには多様な知識を万遍なく身につけなければいけません。気が遠くなりそうですが、精進します。
本書の関連動画