救国シンクタンクの叢書第4弾、大国のハイブリッドストラグルとしては昨年に引き続き第2弾です。
本書はフォーラムの講演内容が書籍化されたものですが、救国シンクタンクのフォーラムは毎回書籍化されるわけではありません。怪しい言説が混じっていたら書籍化は見送られるようです。そういう意味では今回は信用に足る内容だったとも言えます。
フォーラムの内容を一部抜粋したダイジェスト動画はyoutubeにupされています。
ポイントは前回と同様、「解像度の高い情報」です。ロシアとNATO & EUとの関係、中国の台湾への軍事侵攻、米中の対立、そしてウクライナについて、専門家が解像度の高い情報を提供してくれます。
今回特にその解像度が証明されたのは、本フォーラム(2023年1月)時点で重要地域に挙げていたイランとサウジアラビアが、このフォーラム後に国交正常化に動き出した(2023年3月)ことです。
ただし解像度は高いものの、どうしても容量は限られるので、各テーマの深いところは各登壇者の発信を参照にするのが良いと思います。私は会員向けの動画配信では地政学の部分がなかなか理解できなかったので、別途戦争の地政学 / 篠田英朗を読んでから、さらに本書にて要点を復習しました。解像度が高い分、頭の処理が追い付かないので、何度も繰り返し勉強することが必要ですね。
最後の方で、日本はどう対応するべきかに話が及びます。防衛費増額だけで安心できる状態ではないのですが、少なくとも国民の関心や危機感は高まってきていると思います。国民の意識が今後の日本を左右するともいえるので、解像度の高い情報を広めていけたらと思います。
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