自由や減税の勉強を続けているのですが、なかなか奥が深くて終わりが見えません。今回は聞き馴染みのなかった「公共選択論」です。きっかけは以下のtweet。
読み終えた感想ですが、素人にはめちゃくちゃ難しい話でした。経済学の入門書(ミクロ経済学の力など)で苦戦しているレベルでは歯が立たないですね。というか、少々無謀だったかもしれません。
逆に言えば、知らない世界の存在を知ることができたというのが今回の収穫です。政治家や官僚のような、普段の生活では接点が無い連中がどのような価値基準で動いているのか、その基本が少し理解できたような気がします。
公共選択論の特徴
経済学では個人や企業が合理的に、各々の利益のために行動します。公共選択論では、政治や社会の世界にもこの行動様式を当てはめます。すなわち、政治家や官僚も利己的な行動をとります。
政治家は当選・再選を、官僚は権限の拡大や天下りを目指します。企業も自分たちに便益が回ってくるように働きかけます。こうした各々の動きが絡み合って政府予算や規制が増大し、大きな政府が出来上がります。
ちょうどタクシー業界の利権が話題になっていますが、これも政官民の利害が一致した例と言えるでしょう。
市民のディレンマ
大きな政府は、大きな負担と言い換えることができます。当然市民はこの負担を減らそうとするのですが、バラバラに動くと各々が政府から便益を引き出そうという動きに陥ってしまいます。これは政府の権限を増やす方向に働きます。すなわち、負担を減らそうとして大きな政府を作り出してしまいます。
個人が各々で利害を主張していると、結局全員増税されることになるのですね。
すべての増税に反対
本書には民主主義を保ったうえで、大きな政府に対抗する方法が挙げられています。民営化や政治改革、公務員削減などです。ただこれを読んでいると、衆議院の解散権がいかに政権与党に有利に働くかを思い知らされました。簡単に政権交代はできない…。
ということで、「すべての増税に反対」というシンプルな考えに行きつきました。難しい本で理解を深めようとしたものの結局歯が立たなかったので、当面は単純な行動に徹したほうがよさそうです。モグラ叩きに正面から立ち向かうのではなく、電源を狙うべきですね。
(参考動画)