2022年にブログを開設して3年経とうとしますが、自己流の文章は特に進歩もなく、気付いたら40歳になっておりました。そこで一念発起、講座に挑戦することに。
講座の概要
宣伝会議 編集・ライター養成講座について
ライター講座は世の中にたくさんあり、金額・期間も様々です。その中でも、馴染みのあるメディア(NewsPicks、プレジデント、新R25など)の関係者が講師を担当している宣伝会議を選びました。知らない講師だと途中で挫折しそうだったので…。費用は2時間×40回の講義で187,000円。相場がわかりませんが決して安くは無いので、半年間必死についていきました。
Googleで「ライター講座 比較」と検索すると、まとめサイトが多数出てきます。その中での宣伝会議の位置づけは「講師陣が豪華・フィードバック少なめ・挫折者多し」のようです。
卒業制作について
6,000文字目安の記事を書くという卒業制作の課題があり、講座のカリキュラムもそれに向けて組んであります。私が受講した49期は受講生93名のうち卒業制作提出者が54名おり、そこから優秀賞が5名、最優秀賞が1名選ばれました。
結果、私は優秀賞をいただくことができました。ただ最優秀賞とはだいぶレベルが離れていると思います。自分で書いて面白い記事と、読者が読んで面白い記事。そこには大きなギャップがあるというのを頭では理解してたつもりですが、実際に自分の作品があると痛いくらい実感しますね。やはり挑戦しないと得られないものがあります。
私の卒業制作はこちら(一部修正あり)。

賞状と金の鉛筆(宣伝会議の名物らしい)をいただきました。
参考にした本・サイト
優秀賞ではありますが、生まれて初めて文章で賞をいただいたので、記念としてこの半年間勉強したことの記録を残しておきます。
(講座の趣旨は現場で人に取材することなので、本やネットで調べまくるのは邪道かもしれません)
過去の卒業制作
宣伝会議が運営しているAdverTimes.に、過去の最優秀賞受賞作が載っています。また受賞した方のnoteもありました。最優秀賞を目指すには一番参考になる情報ですね。私はこのクオリティには至りませんでしたが。

厳密にレギュレーションが明記されているわけでは無いのですが、過去の受賞作を見る限り人物を深堀する取材力が評価基準にあることは明らかです。そんな意図に反して鳥を取材するという暴挙に出たのですが、そんな作品に対してもちゃんと評価いただき、講師陣の器の大きさに恐縮しております。今後卒業制作のレギュレーションが厳密になったら、それは私のせいかもしれません。
文章作成の参考書
文章の正しい書き方を知らなかったので、講座で紹介された本や実際の雑誌を読んで一から勉強しました。卒業制作のフォーマットが縦書きだったので、「」の使い方や数字の表記で役に立ちました。

日本語の使い方は講座で複数登場します。そういった細かいところも見られると思い、文章の体裁には気を使いました。

久しぶりに雑誌も読みました。実際の文章の体裁がわかるので、非常に参考になりました。

なお、卒業制作のフォーマットは縦書きです。「SHIBUYA109」の表記に悩んだのですが、読みやすいように漢字+全角数字で「渋谷109」としました。
野鳥×都会
『都会の鳥の生態学』は専門知識として、週刊現代は一般読者向けの記事の構成として参考にしました。YoutubeでレイザーラモンRGが鳥について語る動画を見て、鳥のテーマも話芸次第で面白くなることを確信していたのですが、これは「タレント」が話すから成立することに後で気づきました。


渋谷の街
再開発や渋谷川の記事も一通り調べました。特に以前ペンギン本を読んだ谷頭氏の記事は、渋谷の雰囲気を掴むうえで大変参考になりました。



鳥関連の創作物
私も含めて企画書フィードバックでよく言われたのが、「なんでこれを読まないといけないの?」ということ。まずは舞台をキャッチーな渋谷に設定したものの、それでもまだ不安だったので、さらに読者との接点を探しました。そこでChatGPTに鳥が登場する創作物を調べてもらうことに。その中から知名度の高そうな『鬼滅の刃』『日本書紀』『君たちはどう生きるか』を選び、記事の中に絡めました。なお『君たちは~』以外は読んだことが無かったので、この機会にちゃんと読んでみました。

鬼滅の刃はブックオフで全巻セット1,500円なり。

日本書紀はKindleにて。
タイトル
卒業制作は提出締切の2か月前に、企画書のフィードバックを受けることができます。その時のタイトルは「違和感の先に見えてくるもの ~野鳥が教えてくれる、東京の過去と未来~」でした。自分の趣味のバードウォッチングだけだと不十分だと思い、ビジネスにも応用できるように社会的な意義を込めた企画にしたのですが、卒業制作の文字数(約6,000字)では無理だと講師からバッサリ。
「もっと楽しい記事にすれば?」とのアドバイスを受け、しばらくタイトルが迷走します。Google Keepに残っていたタイトルはこちら。
- 渋谷で暮らす野鳥たち
- あの映画のキャラに会いに行こう
- こんな日は 渋谷に鳥を 見に行こう
- 空を見上げれば、鳥が飛んでいる
- 鳥たちはどう生きるか
- 鳥たちがのらりくらり 渋谷の空と水
- 百年に一度の再開発 鳥たちはどう生きるか?
- 大都会の空を眺めて
- 都市開発の証人
- 渋谷の鳥を追ってみた ー大都会で宝探し
並行して作成していた本文がまとまってきても、なかなかタイトルが固まりませんでした。結局、本講座の講師でもある新R25編集長の渡辺さんの有料記事(700円)を頼ることに。それでようやく押さえるべきポイントが明確になり、
「おや、こんなところに鳥が 渋谷で街ぶらバードウォッチング」
に決定しました。
講座を終えて
講義は大変わかりやすい回もあれば、各講師の言っていることが違って少し混乱することも。講師は現場の第一線の方々なので、具体と抽象でいえば具体寄りです。一つ一つの講義では納得がいっても、それらを並べると噛み合わない場合もあります。ただ成功者同士の話なんてそんなものなので、少し引いた目線で抽象的にとらえた方がよいこともありますね。
卒業制作の評価は「筆者の視点が強すぎるので、有名人ならアリかもね」とのこと。今回の構成はブラタモリをイメージしていたのですが、あれはタモリがやるから成立するわけです。わかっていても曲げられないのがアマチュア。今後一皮むける日は来るのでしょうか。
半年間全く知らない海に飛び込んでいましたが、ようやく落ち着いて息ができます。金の鉛筆を心の支えにして、これからも文章を書き続けようと思います。