コロナ禍を経て、今までは気にしてこなかった医療との関わり方を考えるようになりました。本書では今こそ知っておくべき日本の医療について、病院/医師/薬局などの医療関係からだけでなく、患者としての立場についても丁寧に解説してくれます。
自由主義からの視点では医療関係は既得権益を守るために岩盤規制が敷かれておりというイメージです。それはそれで間違ってはいないのですが、本書は必ずしもそうでなはい側面を示してくれます。それが2022年に全面解禁されたオンライン診療です。さらに今後は仮想空間であるメタバースへの展開も示唆されています。
テレワークなどの新しいコミュニケーション手段が社会で普及する中で、当然の流れとも言えます。医師に直接診てもらうという長年の習慣は簡単に変えられるものではありませんが、医療が変わるかどうかは医療を利用する私たちが適応できるかにもかかっています。
後半は医療関係者以外の一般人にも関係してくる、予防と終活の話。麻薬のような社会保険制度に蝕まれないためにも、自分の健康は自分で管理するという心構えが必要です。
医療問題というと、誰かを悪者にして溜飲を下げるような下品な言論も多い中で、冷静に現実を解説した本だと思いました。分断を創意工夫と適応力で乗り越えられるよう、建設的な改革が進むことを期待します。
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