前作に引き続き、国際社会のお勉強を。
本作も、つかみどころが難しい国際法が軸になります。前作では国際法によって秩序を保とうとしてきた中世⇒近代の流れが、後半に崩壊を始めていました。その続きの時代です。副題は「文明の近代、野蛮な現代」です。
一つの象徴的なキーワードは「民族自決」です。小学校くらいに習った時は、そんなの当り前じゃん、と思ってました。実際は、日本だから呑気に言えることなんですけどね。
本書によると、主権国家に必要なものとして、治安維持能力と条約遵守能力が挙げられています。ただ単一民族が集まっただけで、これらの責任が果たせるのか?という疑問が投げかけられています。現代はこれらが欠けた状態で紛争に突入するので、悲惨な結果を招きます。本来戦争はルールがあるものというのもよく理解できました。
日本自体は平和な状態に見えますが、世界地図を見る限り問題に囲まれています。相変わらず歴史戦でも揉めています。本書では筆者は文書学:アーカイブを武器にすべきと訴えており、のちに救国のアーカイブを出版するに至ります。先に救国のアーカイブの方を読んでいたのですが、「どうすべきか」の志を一貫して主張していたことに今更気づきました。
現実の国際社会を学んだら、ふと子供のころを思い出しました。トランプでイカサマしてくる連中と馬鹿正直にルールを守る自分。損する方が格好いいと思ったこともありますが、それだと社会では通用しないんですよね。
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