まだ慣れませんが、令和の天皇誕生日は2月23日です。それを迎える前に、皇室の勉強をしておきました。
アラフォーの自身は、悠仁さま誕生当時の秋篠宮殿下や紀子さまと同年代になりました。この歳になってようやく、当時の歴史的な出来事の意味を理解できるようになりました。
4つの大原則
現在皇室については、テレビのワイドショーやSNSで気軽に取り上げられています。しかし、まずは以下の大原則を共有するべきだと、本書の冒頭で説明があります。
皇室についてお話をする際には、大原則を共有しておく必要があります。
決定版 皇室論 – 日本の歴史を守る方法 – / 紹介文
さもないと無限大に会話が通じなくなりかねません。
最低限の価値観を共有していないと話ができません。
そこで最初に、皇室について話をする際の大原則を、四つ確認しておきます。
第一に、「本来、他人の家について語るのは失礼である」ということ。
第二に、「皇位の“安定的”継承など、絶対に子供が生まれる技術が存在しない限りありえない」ということ。
第三に、「皇室について語る際は先例に基づくべし」ということ。
第四に、「日本国憲法の条文と通説の範囲内で論じる」ということ。
これを共有したうえで、「失礼を承知で」提言する、というのが本書のスタンスです。
本書については筆者自身のYouTubeチャンネルくららでも多数の動画で解説されており、この問題への意気込みが感じられます。ただYouTubeで取り上げているのは、過去の皇位継承の前例や、有識者会議の内容など、基本的に事実ベースの話です。
一方、今後の安定的な皇位継承に向けた具体的な提言や、元皇族の「いろいろと問題のある人物」のような一歩踏み込んだ内容ついては、YouTubeにはでてきません。この辺りが皇室について語る上でのバランスなのだと理解しました。
この問題を取り巻く環境
本書で初めて「単純保守」という分類を目にしました。Google検索でも出てきません。
筆者は過去の著作でも、一部の保守について個別で分類しています。真実の日米開戦では「右上」「右下」、保守とネトウヨの近現代史では「反・反安倍」など。
東京オリンピックの開会式で、天皇陛下の開会宣言中に菅総理が着席していたことに対して「不敬罪だ!」と騒ぐ連中がいました。確かにそういう保守は別でカテゴリーを設けるべきだと思います。
(ちなみに本書で不敬罪についても解説しています)
本書の特徴は、皇室という伝説的で神秘的になりやすい対象を、現実的な論点に落とし込んでいる点です。閨閥の現実や、南北朝正閏問題の解釈などがその例です。
南北朝正閏問題の解釈は、その筆者のスタンスを見極めるいい題材だと思います。例えば天皇の国史など。
日本の歴史
最後に「皇室の存在そのものが尊い」という言葉で本書はまとめてあります。日本の象徴とはなにか、を考える上で非常に重要な本だと思いました。
(解説動画)
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