読書感想文ブログを始めてからもうすぐ2年になりますが、今回初めて献本のオファーを頂きました。このブログの存在を知っていただいただけでもありがたいので、献本をお受けして感想文を書くことにしました。写真はこれまでと趣向を変えて、菅原道真公とのツーショットです。初めて献本を頂いたことを学問の神様に報告しました。
本書のキーワードは、帯にも書いてある「美点発見」というメソッドです。Rマークがついていたので確認したところ、商標登録されていました。またこのメソッドを広めるためのクラウドファンディングも行われていたようです。
平たく言うと、他人のいいところを挙げる方法です。というと、過去にやらされた方も多いのではないでしょうか。私も小学校の時にこれをやらされて、なかなかクラス全員分が出ずに苦労しました。何とか絞り出して「髪型がいい」「言葉がきつい」と書いたら再提出をくらったので、仕方なく「やさしい」と書いて切り抜けた思い出があります。
この経験から人を褒めることが億劫になったのですが、その10年後に苦しい思いをすることになります。就職活動で、自分の長所がなかなか説明できず、面接に落ち続ける事態となりました。途中で開き直ってやけくそで自分をアピールした結果、何とか1社だけ内定を得ることができましたが、かなり紙一重の状況だったことを今でも覚えています。
本書を読んでようやく理解したのが、人を褒めるというのは知識と技術が必要であるということです。まず基本的な語彙力や観察力が無いと、人の長所はなかなか出てきません。さらに物事の見方、捉え方も重要になります。妻と義母のような隠し絵で解説されることが多いと思いますが、本書では三日月と満月とが同じものであることを例にとって、見えている三日月から満月をイメージすることを提唱しています。
さらに人を褒めることは、自己肯定感にもつながってきます。社会に出ると自分の成果を主張しないと全然評価されません。そのためには、日頃から人を褒める訓練を通して、自己肯定感を高めておく必要があります。美点発見は人間関係だけでなく、人生のあらゆるところに効果が表れます。
肯定してくれる存在というのは現代のトレンドなのでしょうか、パッと思いつくだけでも、アンミカ、ティモンディ、いかちゃん、コウペンちゃんなど様々なタレントやキャラクターが活躍しています。今こそ褒める技術が世の中に求められているのかもしれません。
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