YouTubeで面白そうな本を見つけたので読みました。Netflixで『地面師たち』を見て以来、闇ビジネスへの興味が湧いてます。
「はじめに」と「おわりに」で転売ヤーについて総括していますが、筆者のスタンスは元売り側や購入者も含めてフラットな見方をしています。そもそも自由経済では自然な成り行きで、ビジネスモデル自体はシンプルなものです。筆者の綿密な取材のおかげで、遠い存在だった転売ヤーも身近に感じられるようになりました。
特にディズニーグッズの章で、ぬいぐるみの顔が全部違うと言っていた中国人転売ヤーには親しみすら覚えました。本ブログのペンギンもすみだ水族館にたくさん並んでいますが、確かに一つ一つ出来が違います(一時期品質が落ちてましたが、また復活してきました)。これだけ品質にこだわりがあるのであれば、元売り側も刺激になるでしょう、そんなことはないですか。
ビジネスとしては、SNSを用いたトレンドの分析、活動ジャンルの取捨選択、販売予測に在庫管理と、それだけ聞けば真っ当な活動に見えてきます。多少の投機性があるものの、地道なビジネスというのが実際の姿ではないでしょうか。
ディズニーや任天堂など、権利関係に厳しいコンテンツに転売ヤーが集まるというのも皮肉な話だと思いました。ブランド価値を高めているからこそ購買意欲も湧き、価格も上がりやすい。闇ビジネスが生まれるのは必然だったのですね。
転売ヤーの被害にあった経験が無いからでしょうか、特に感情的になることもなく、ただただ勉強になりました。元売り側、転売側双方のマーケティング戦略が垣間見れる話題でもあるので、今後も注目していきたいです。
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