今このタイミングで理解しておくべき世界情勢を学びます。この日のために予習もしてきました。
前回のフォーラムでは黒ずくめの集団に出迎えていただきましたが、今回は簡素な受付でした。前回カラーだったパンフレットも今回は白黒コピーでしたし、あまり国際情勢分析は人気が無いのでしょうか?
第1部 講演
前半は各登壇者がそれぞれ20分ずつ講演。結構慌ただしく、早口で持ち時間いっぱいに内容を詰め込んだ密度の高い時間でした。
前嶋和弘 アメリカ大統領選挙の総括
報道からはトランプ圧勝に見えますが、客観的なデータを元にした冷静な分析を説明されました。選挙人で見ると312対226ですが、得票率で見ると50.0%対48.3%で接戦です。有権者の分類とその投票行動から、今回の選挙で何が決め手になったかを紐解きます。
松本佐保 アメリカ政治について~宗教保守、LGBT、中絶
人種や宗教からみた今回の選挙の分析です。中絶に関しては、極端な思想を持たない中間的な層の動向に注目していました。
持ち時間20分では足りないこともあり、自身が出演した動画も紹介していました。
渡瀬裕哉 トランプ新政権人事から見るアメリカ
選挙後に徐々に発表される閣僚人事について。登場人物どころか主要ポストの意味すら知りませんでしたが、それぞれの背景などを丁寧に説明していただけたので、わかった気になります。曰く「けっこうちゃんとしてる」。
中川コージ 中国・インド・パキスタンの国際情勢
ここからマイナーな国が出てきます。アメリカ・中国・インドの三極で見るとわかりやすいですが、実際はその他大勢が階層的に入り組んでおり、なかなか難しい内容です。現実的な「エスカレーションの火種」があるという意味では、もっと注目されてもいいように思いました。
内藤陽介 イランから見たアメリカ大統領選挙
この方の本には少しずつ挑戦してきたので、20%くらいはわかったような気がします。イスラエルの戦闘については、みんなやめたがっているけどやめられない、ということでしょうか?
サウジアラビア大使館から抗議の電話が入ったのは流石でした。
西岡力 トランプ氏当選を拉致解決のチャンスに
北朝鮮問題に絡めた話です。以下の記事が印刷されて受付で配布されてました。
威勢がいいのは結構ですが、トランプ頼みというのはいかがなものでしょうか?ただこの手のノリは前回の高清水氏と同様に一定数のウケは見込めるので、集客的には外せないんですかね。
第2部 クロストーク
後半は登壇者が全員並んで数分ずつコメントを出し合う形式。事前の予告動画で話されている内容もありました。
北朝鮮のロシアへの派兵についても話題になりました。北朝鮮を小馬鹿にするとウケがいいのですが、その解像度はいかほどか。個人的には以下の動画の方が深い考察がされているように思いました。
およそ3時間、レベルの高い話についていくのに必死で疲れ果てましたが、登壇者はまだまだ話足りない様子でした。これでも専門家にとっては初歩的な話なのかもしれません。
この世界の流れに日本がどう動くのか、なかなか心配ですね…。