アフガニスタン現代史 / 内藤陽介

読書感想文
読書感想文

GWにこの本に挑戦したのはよいのですが、読み終えるのに大分時間がかかってしまい、その間この読書ブログが迷走していました。

本書を読む前は何か騒動が起きた時だけ注目していたので、物事のつながりをよく理解できていませんでした。一つの軸をつくって全体の流れを理解することは非常に重要ですね。大分ボリュームがあったので、まだ消化不良気味ですが…。

地理、宗教、民族

現在アフガニスタンと国境を接する国は、中国から時計回りにパキスタン、イラン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンです。古くは英領インドやロシア/ソ連に挟まれる形でしたので、そこを取り上げて代理戦争の舞台として解説さるることが多いのですが、本書を読むともっと複雑な状態になっていることがわかります。

イスラム教一つをとってもシーア派、スンニ派などがあり、さらには穏健派や過激派がいます。これに民族の構成も関わってくるので、一読の時点ではポイントの抑え方を覚えることにして、すべてを一度に理解するのは諦めました。

繰り返される対立構造

対立の収拾をつけるために妥協案を出して、それに納得できない過激派が勢力を拡大させるという構造が繰り返されていることがわかります。過激派といっても宗教の原理主義としての側面もある一方で、手段が目的化して収拾つかなくなる面もあります。

対立以外に生きる方法を与える、または自ら見出さないと、泥沼化していく仕組みが理解出来ました。ではどうするのかについては、また別の歴史を学ぶ必要がありそうですね。教養を得る道は果てしない…。

分断に煽られないように

YouTubeに上がっていた倉山満/内藤陽介/石戸諭の鼎談が、本書を読み解くうえで大変参考になると思い引用しようと思ったら、削除されていましたね。このご時世ですから仕方ないのかもしれないですが。

この動画で印象深かったのは、相手を許さないという態度をとっていると、いつまでも分断が終わらないということです。この分断は「煽る側」と「煽られる側」がいるわけで、一般市民としては「煽られない」ようにする必要があります。そのためには、煽られた結果どうなったかについて、歴史を学んで教養を身につけることが有効なワクチンになると思います。

(2022年5月10日追記)
動画が再upされていました。

アフガニスタン現代史
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